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コロナ禍の1年を振り返って【ITオフショア経営編】

EDIT BY たけ
たけ

2020年の2月18日にミャンマー出張から日本に帰国してから1年が経ちました。
コロナ以前は1~2ヶ月に1回はミャンマーに行っていて、年間100日くらいをミャンマーで過ごしていました。

ミャンマーにいけないまま1年が経過するなんて、去年の今の頃は思ってもいなかったです。
(新型コロナウイルスが世界で広がりつつありましたが、1年も続くとは思っていませんでした。)

昨日アップした日本語学校運営変に続き、この1年間の新型コロナウイルスによる現地法人経営への影響と私の取った対策を振り返ってみたいと思います。
今回はミャンマーでのITオフショア会社経営について振り返ります。

ITオフショア会社の経営

リモートワークの導入

2020年の3月20日ごろから、ミャンマーで「stay at home」の号令が出ましたが、
当初は会社の経営には制限はありませんでした。

しかし、未知のウイルスに怖がる社員も多く、ご家族も心配される方が多かったので、
3月から試験的にリモートワークを導入しました。

まずは、遠方からバイクで通っていて、日本語も堪能なリーダークラスの社員2名で2週間試してみました。
特に問題がなかったので、その2名については継続してリモートワークを実施しました。

8月までは拠点のあるモン州モーラミャイン市はそんなに新規陽性者が出ていなかったので(1日に0名~1桁台など)
手洗いの徹底、外部の方の立ち入り禁止(訪問時はアポ必要)、アルコール消毒の設置、マスク着用などの対策は行ったものの、そのまま問題なく運営できました。

日本からの仕事の依頼も、2020年5,6月は一時的に減って焦りましたが、7月からは回復し、昨年並みには案件数が回復しました。

stay at homeの号令

2020年9月20日、stay at homeの号令が出て、社員を出勤させてはいけない状況になりました。
その際に取った対策について記載します。

社員寮に救われた

まず、とても助かったのが、社員寮の存在でした。
私の会社はモン州モーラミャイン市という、ヤンゴンから東に車で6時間ほどの場所で経営していますが、
ヤンゴンでなくてもITの仕事ができる」を実現することを目標の1つにしています。

そのため、会社の上階に社員寮を設けていました。
どうしてかというと、モン州各地の方が平日は寮に住んで仕事し、週末は家に帰って家族と一緒に過ごせるようにしようと思ったからです。

毎日片道2~3時間かけて通勤するのは大変なので、寮を用意し、でも、家族とも一緒に過ごせる時間を設けることで
家族を大切にするミャンマー人のニーズに合うと思っているからです。
(ヤンゴンから、毎週片道7~8時間かけて帰るのは大変ですがモーラミャインからならそれができると思い、そのようにしています)

話が脱線しましたが、約半分の社員が寮に住んでいるため、
その寮のおかげで、外出自粛時でも仕事を止めずに済みました。
(VPNを使う仕事など、オフショアだとセキュリティ上オフィスからでないとできないこともあるためです。)

リモートワークの準備

9月20日に外出自粛で社員を自宅対応させなくなってすぐ、寮に住んでいない残り半分の社員の家に固定のインターネットを引きました。
ミャンマーでは固定インターネットがない家が多かったので、会社から準備しました。
インターネットの費用も全部会社負担にしました。

とにかく、スピーディーに用意をし、すぐにリモートワークができる体制になりました。

セキュリティの都合や、管理者が近くにいた方がいい業務をオフィスで業務する半分の社員が対応し、
リモートでもできる業務をリモート社員が対応する形が9月22日にはできたので、ほぼ止まらずに業務対応が続けられました。

勤怠管理

勤怠の管理については、Googleスプレッドシートで出勤簿を作り、社員たちに記入してもらうようにしました。
また、会社ではchatworkというチャットツールを使っているので、chatworkで「出勤・休憩に入る・休憩から戻る・退勤」の連絡をしてもらうようにルール化しました。

また、毎日、退勤時にはその日対応した作業の簡単なレポートももらうようにしました。
報告作成に時間をかけないよう、フォーマット化もしました。

毎週の全体MTG

ミャンマーに行くことができなくなってしまったので、チャットだけのやりとりにならない様に、毎週1回、約30分間、オンライン全体ミーティングを行うことにしました。

アイスブレークから始まり、各チームから1名ずつ、毎週の業務内容を報告し、最後にミャンマー人支社長と私から全体にメッセージをするというスタイルです。

直接会えないと関係性が希薄になってしまいそうなので、オンラインでも顔合わせをすることで社員の様子を確認できる機会を設けています。

2021クーデター

ITオフショア事業の方はなんとかコロナ禍だけでも回せていたのですが、2021年2月1日に起きた国軍によるクーデターにより、日々不安を抱えながら業務を進めています。

インターネット遮断

会社では、シンガポール資本のインターネットプロバイダをメインに使っており、他のニュースで見るほどインターネットの遮断被害を受けていませんでした。(いつ遮断されるかという恐怖を毎日抱えてはいましたが)

2月15日からは毎日、深夜1時から朝9時までネット遮断が起きる様になったので、
これまでミャンマー現地時間朝8時から夕方5時までだった就業時間を、社員に相談して朝9時から夕方6時までに変更してもらいました。

また、CDM(不服従運動)のデモに参加したい社員については、担当業務で顧客に迷惑がかからない様にシフト調整(他社員へ引き継ぎor他の日に振替対応する)した上での参加を許可し、社員たちはそれに従ってくれました。

おわりに

こんな時に仕事を続けるべきなのかどうか、悩みましたが、ミャンマーの混乱が落ち着いた時に仕事が無くなっていたら何もできなくなるので、続けられる範囲で業務を運営しています。

また、日本の顧客には迷惑をかけないよう、ミャンマーでの業務が止まってしまった際のバックアッププランも策定し、提示しました。

新型コロナウイルスが早期収束し、国軍クーデターの混乱も解消し、安心して新しい仕事を開拓していける状態に戻ることを切に願っています。

状況に応じた経営判断をし続けて、この難局を乗り越えようと思います。

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