スタッフブログ
ミャンマーで英語は通じる?ミャンマーに実際に住んでみて感じたこと
あけましておめでとうございます! さとうです。
今年もまた時折ブログを書いていきます。よろしくお願いいたします。
さて、今回は…「ミャンマーで英語は通じるのか」という疑問について、ある日の私の実体験からお答えしたいと思います。
ミャンマーのローカルの人々。彼らの英語は…?
謎の「リーフ」
通じないやりとり
ミャンマーの最大都市・ヤンゴンの一般的なアパートに間借りして住んでいた、ある日。
そこの大家さんであるおばちゃんが私の部屋へ来て、こう言いました。
「リーフのお金を払ってくれ」
彼女とはいつも英語で話していたのですが、非常に早口で、かつミャンマー訛り(後述します)が強すぎるため、いつも聞き取りに苦労していました。
それでも、話題と文脈からだいたいの想像はでき、それまでコミュニケーションの問題はあまり無かったのですが…。
「リーフのお金が必要だ」「家賃とは別にリーフ代もかかるのだ」「リーフが壊れたら修理代も払ってもらう」
おばちゃんが何度も繰り返す「リーフ」の単語の意味だけが、どうしてもわかりません。
英語で書いたら "Leaf" 。「木の葉」という意味ですが、それだと「木の葉代を払う」ことになってしまいます。
私「おばちゃん、さっきから "Leaf" について話してるんだよね?」
お「そうだよ」
私「ごめん、さっぱりわからない。その "Leaf" とやらが何なのかぜんぜんわからないよ」
お「何言ってるの。いつも乗ってるでしょう」
私「乗ってる?!?!?!」
ここで不思議なのは、私の "Leaf" の発音が、おばちゃんにはすんなり受け入れられたこと。
つまり、私の英語の発音が「彼女にとっては」正しいことを意味しますが…。
リーフの正体
いよいよ訳が分からなくなり、私はおばちゃんに
「その"Leaf" とやらを直接見せてくれ」とお願いしました。
すると、おばちゃんは不思議そうな顔をして、部屋の外にある共用のエレベーターを指しました。
エレベーター… "Elevator" ?
いや、"Lift" とも言うな…。
ん?
"Lift" ?
"Lift" →「リーフ」?!
なんで?!
私が住んでいたアパート。
他の住人はもちろんみんなミャンマー人。
まず、発音の仕組みを知ろう
ここで、ミャンマー人が話す英語についてお話しする前に。
そもそも「音」とは、「発音」とは何であるかをごくごく簡略化して説明します。
それでも少し専門的な単語が出てきますが、できるだけ分かり易くしてみます。
「母音(ぼいん)」とは
母音と呼ばれる音があります。
これは喉から出す音を舌や歯、唇などで遮ることをしない音のことで、
日本語には「あ・い・う・え・お」の5つがあります。
「子音(しいん)」とは
次に、子音と呼ばれる音があります。
これは喉から口先等、「音が出るまで」の経路の中で、
歯や舌などによって狭められたり遮られたりすることによる音です。
この子音「のみ」を日本語表記することはできません。
英語では、
- Hat の "t"
- Dog の "g"
- Cap の "p"
上記の箇所の発音が子音「のみ」の発音になります。
よく言われる、日本人の「カタカナ英語」では、この「子音のみ」の部分に母音(あいうえお)をくっつけて、以下のような発音をします。
- Hat→ハット ( "t" + 母音「お」 )
- Dog→ドッグ( "g" + 母音「う」 )
- Cap→キャップ ("p" + 母音「う」 )
日本人がこのように発音してしまうのは、日本語ではすべての子音はいつも母音を伴う、という発音のルールがあるためです(「ん」のみ例外)。
その日本語のルールを英語にも適用してしまうと、上記のようなカタカナ英単語が出来上がります。
では、ミャンマー英語はどうなの?
日本人のカタカナ英語のつくりを理解することは、ミャンマー人の英語を理解することと無関係ではありません。
なぜなら、ミャンマー英語(ミャングリッシュ、と言われることもあるそう)の発音の仕組みは、カタカナ英語のちょうど真逆にあたるためです。
- Hat→ハッ
- Dog→ドッ
- Cap→キャッ
↑個人差もありますが、典型的なミャンマー英語の発音です。日本人の耳には、このカタカナのように聞こえるはずです。
日本人のカタカナ英語では「子音のみ」の箇所は母音を足して発音するのに対し、
ミャンマー英語では「子音のみ」の箇所はまるごと消してしまうのです。
"lift" が「リーフ」になる理由と、ミャンマー語を学ぶ理由
理解するために
おばちゃんとのやりとりに話を戻します。
どうやらおばちゃんは、アパートの共用エレベーターの維持費について話をしているようでした。
"Lift" を「リフ」と発音し、これだけなら少しは良かったのですが、聞き取れなくて何度も聞き返してくる私のために、
おばちゃんなりの強調で音が伸び、「リーフ」になってしまったのです。
この、たった1単語の意味が分かるまでに15分ほど時間がかかりました。
それもこれも、ミャンマー人がどんな英語を話すか知らなかった、私の勉強不足からです。
ミャンマー人にももちろん、ネイティブのような英語を話す人もいます。
また、観光客相手の仕事をしている人も、もう少し分かり易い英語を話します。
ですが、そうではない人達がどのような発音をしがちであるか、知っておいたほうがいいでしょう。
住むなら、現地語を
観光や短期滞在なら、ミャンマー訛りの英語で会話してみるのもいいかもしれません。
しかし私は長期間住むことが決まっている身でした。
彼らのローカル訛りの英語を理解し、「ミャンマー訛りの英語が話せる日本人」になるより、
やはり現地の言葉であるミャンマー語を身に着けたほうがいいと感じました。
そのきっかけが、この、おばちゃんとの「謎のリーフ問答」でした。
ある日の、ささやかな夜市。
こういう出店で買い物するなら、ミャンマー語ができないと。
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