ミャンマーを知る
ミャンマーのオフショア開発事情【メリット・注意点は?】
中国、ベトナム、インドがよく活用されている「オフショア開発」ですが、ミャンマーも「ラストフロンティア」として注目されています。
どういった点が注目されているのでしょうか?
ミャンマーのオフショア開発における注目点と、メリットやデメリット(注意したほうがいい点)を解説します。
そもそもオフショア開発とは
オフショア開発とは、システムやアプリの開発において国外にその工程の一部または全部を委託する手法のことです。
オフショア開発が用いられる目的は主に以下の2点です。
- 開発コストの削減
- IT人材の確保
現在ではベトナムでオフショア開発を行う会社が多いですが、ベトナムも昨今の経済発展に伴い、人件費が高騰しています。優秀な人材の争奪戦も激化しています。それに比べミャンマーはエンジニアの単価がベトナムの約半分〜3分の2とコストメリットがより大きい一方、まだまだIT系大学を卒業した若者が就職できずに溢れているという状況です。
ミャンマーオフショアのメリット
ミャンマーのオフショア開発に魅力がありそうだと感じて頂いたと思いますので、他の東南アジア諸国と比較したメリットをお伝えします。
日本人と合う国民性
ミャンマーは親日国であり、多くの国民も日本に対して親日感情を持っています。それにより、ミャンマーは日系企業がビジネスをしやすい環境ができています。また、ミャンマーは仏教国であり、国民の約9割が仏教徒です。幼少期からの教えで「目上の人を敬う」と言う考え方を持っているため、組織を運営しやすいです。また、控えめで大人しい性格の方が多く、その辺りも日本人との相性がいいところです。
人件費が安く、優秀な人材が余っている
ミャンマーの大卒初任給は月額15,000〜20,000円くらいです。ITのエンジニアも、未経験の新卒であればそれくらいの賃金水準で採用できます。ミャンマーではまだITエンジニアの需要より供給の方が多く、IT系の大学を卒業してもITとは関係のない職種に就職する方が多くいます。相場感を持った給与の提示と育成できる体制を作ってしまえば、優秀な人材をたくさん採用できます。そのため、オフショア開発を依頼するパートナー企業を探す際に、ちゃんと教育体制ができている会社を選べば、優秀なスタッフが非常にコスパ高く対応してくれます。
日本語能力が高い
ミャンマーの公用語である「ミャンマー語」は文法構造が日本語と類似しており、他の東南アジア諸国に比べて日本語の習得スピードが早いです。日本の企業からのオフショア開発を受けている日系オフショア企業では、日本語で業務やりとり可能なスタッフを揃えていることが多く、言語の面でも依頼する側のハードルが低いというメリットがあります。
ミャンマーオフショアのデメリット
ミャンマーのオフショア開発に対していいことばかり言ってきましたが、ベトナムほど広がっていない理由もあります。オフショア開発はどのパートナー企業に依頼するかで結果が大きく変わりますので、選ぶためのポイントを解説します。
インフラ設備
ミャンマーではまだまだ停電が多かったり、インターネットの設備が弱かったりします。そのため、それを想定した備を持った企業に依頼していないと、インフラの不都合で納期に間に合わないなどの事態に陥ってしまいます。停電については、自家発電機や蓄電器を所有している会社であれば停電時も続けて作業対応ができるので、所有の有無を事前に確認しておくといいでしょう。インターネットについては、2社以上の通信会社と契約していると、1つの会社のインターネットが接続できない状況になっても仕事を止めないで進められるので、複数社のインターネット契約があるかを確認するといいでしょう。
オフショア開発を依頼する前に確認しておくべきポイント(インフラ面)
- 自家発電機や蓄電器を所有しているか?
- 複数社のインターネット契約があるか?
管理者が信頼できるか
ミャンマーは、ベトナムや中国に比べてオフショア開発の歴史が浅く、管理者ができる人材が足りていません。そのため、日本人もしくは日本の開発事情に精通しているミャンマー人が管理をしている会社でないと、事故を起こしてしまう可能性が高くなります。何か問題があった場合にもその管理者が解決してくれるそうかどうかをしっかりと確認した上で依頼しないと、あとで取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
オフショア開発を依頼する前に確認しておくべきポイント(人材面)
- 日本人もしくは日本の開発事情に精通しているミャンマー人管理者がいるか?
- トラブル対応の体制があるか?
おわりに
ここまで、ミャンマーのオフショア開発について解説してきました。ミャンマーのオフショア開発は、ちゃんと企業を選定して依頼できれば、コストメリットが非常に大きく、IT人材の不足を解消できる可能性を持った非常に魅力的な市場です。将来性もあるので、長い付き合いを目標としてしっかり準備して臨めば、大きなメリットを享受できることと思います。
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